ひじさやさん
大阪生まれ大阪育ち。大学卒業後、東京の旅行会社に就職したのち、地方との関わりをもつために転職し、香川県小豆島で観光業に携わる。その後独立し、大分県日出町を起点に広く地域事業に関わっている。
地域(region)のアイデンティティを想起する
働く拠点を都市部ではなく、地方に移したきっかけや大分県日出町の地域おこし協力隊に着任した経緯、現在の暮らしをお伺いしました。
- 都市部から移住
- 観光業⇒地域おこし協力隊
- 単身
- 20~30代
- 日出町・大分県に縁なし
- 地域おこし協力隊等

自己紹介
ーひじさやさんの略歴を教えてください!
大阪で生まれ育ち、大学卒業後は東京の旅行会社に就職しましたが、地方との関わりをより深くもつために転職と移住を決意し、香川県小豆島で観光業に携わりました。その後独立し、大分県日出町を起点に広く地域事業に関わり、2025年8月から日出町地域おこし協力隊としての活動にも従事しています。
<職務経歴>
■2019年4月~
株式会社ジャルパック
所属:国内仕入営業部 西日本グループ(香川県・兵庫県の施設担当)
■2022年10月~
カサイホールディングス株式会社(オリビアン小豆島夕陽ヶ丘ホテル)
所属:営業部 予約/セールス課 アシスタントマネージャー
■2025年8月~
フリーランスに転向
日出町地域おこし協力隊 / ほか、大分県内で地域活性化事業に従事
ーひじさやさんのパーソナリティや大切にしていることを教えてください。
物事を総合的に捉えること、そのなかで中庸を保つことを心がけています。
都市部から地方へ
―働く拠点を都市部ではなく、地方に移したきっかけを教えてください。
本来であれば実り豊かなはずだった都会での仕事は、実際には、律儀にやればやるほどひどく貧困で、この自分が枯れていくと感じました。失われた30年。私たちの世代は日本の経済成長を知らず、東京一極集中の裏側で地方が弱っていく姿を見てきました。でも、それでも、誇りを持って生まれ育った地域のことを話す人たちがいるんです。それは決して立派な企業、オシャレな施設、最先端の技術じゃない。その地域で代々受け継がれてきた小さな営み、ずっと変わらない原風景、地域固有の伝統など、そこには先人たちが築いてきた「価値」が宿っています。時代が変わってもその価値を保ち、守っていくこと。故郷に誇りを持ってもらうこと。私ができることはほんの些細なことかもしれませんが、地域のためになにか貢献したいという思いで都会を離れました。
―なぜ日出町の地域おこし協力隊に応募したのですか。
日出町での協力隊ついては、選んだというよりも有意義な仕事を追い求めていく中で辿り着いたと言った方がより正確かもしれません。私の目からみれば周囲で行われている地域活性化の多くが商業主義的に進められているように感じられます。本来であれば、地域活性化という公的な課題は公的機関が主導し、その解決にあたるべきだと思い、自治体に身を置くことにしました。
地域おこし協力隊としての活動
ーひじさやさんの協力隊ミッションはなんですか。
主に日出町のタウンプロモーションや地域活性化事業です。
ー特に力を入れている分野について教えてください。
二地域居住の推進です。新たなライフスタイルを求めて日出町へ来る方々が、地域の魅力に触れることでその魅力を実感し、将来的な移住・定住につなげていくことで、「都市への一極集中」と「地方の過疎化」という二つの社会課題を同時に解決できればと思っています。
ー特に印象に残っている活動はなんですか。
自分の分身のぬいぐるみ『じぶんぐるみ』だけが日出町を訪れる観光ツアーの企画・実施です。ぬいぐるみだからこそできる特別な体験を通じて、日出町の魅力を伝える新たな試み。持ち主の皆さまには、『じぶんぐるみ』を通じて体験した旅行を思い出アルバムとしてお届けすることで、日出町の魅力を感じていただき、実際の訪問へとつなげるきっかけになればと思います。
今後の展望
ー日出町でどんなことを実現していきたいですか?
先述の通り、将来の移住・定住を見据えた『二地域居住』を普及させたいです。地方暮らしに不安を感じている人たちが日出町での住み心地を実感し、実際に生活拠点を移してもらう上で即物的なメリット以上に大切なのは地域慣習への愛着です。本人だけでなく、その家族にも地域慣習と触れ合う場所を提供し、日出町から離れがたいと感じてもらう工夫が必要です。来町者と地域住民の交流拠点となる場を運営し、人と人、企業と企業を繋ぐ人材として貢献できればと思います。
―任期後のイメージはありますか。
任期後の自分の姿を想像してみたときに、行政を通じて本格的に地域を復興したいという想いが強くなっているように思います。地域のアイデンティティを取り戻すうえで私が最も大事だと思うのは、歴史的英知や伝統的精神に基づく地域運営を心がけることだと思います。外部から地域の慣習(ハビット)に入(イン)ろうとする者、あるいはその地域に関係しようとする者が踏まえておくべきは、代々長らくそこに住む住人(インハビタント)の感性と理性の中庸にトラディション(伝統)があるということです。そして今、私たちが真に再興すべきは、単なる利害で結びつくだけの社会契約体としての「地方」ではなく、感情共有体として有機的な繋がりで構成される「地域」共同体ではないかと思います。
「観光」の語源がそうであるように、地域はそこを訪れた人にその土地固有の威光を浴びせ、訪れた人のものの見方に変化を与えることのできる場所として受け継がれていくべきだと思います。そして何より、その土地のインハビタントに誇りを取り戻してほしい。地域分権ではなく地域自律を目指し、東京一極集中という社会課題を少しでも解決するために働き続けていきたいです。
日出町のお気に入りベスト3は?
日出町に暮らす「ひと」
日出町に暮らす「ひと」は温かく、和やかです。
それぞれ話してみると、想いが言葉に乗っかっていて、地域慣習に誇りを持っていることがよくよく伝わってきます。
垣間見える海の景色
視線の先に海が見える
通りがかりに海が見える
日出町ではありふれた情景の一つです。
派手さのない何気ない日常の中に、まちの人たちが普段口にしないまちの魅力がたくさん詰まっています。
糸ヶ浜から望む日の出と有明月
遠浅の海岸の彼方、別府湾からの日の出、声にならない美しさです。
タイミングによってはぼんやりと空に浮かぶ、有明の月に出会えることがあります。
「朝活」も悪くないです。

編集後記
今回は日出町で「地域おこし協力隊」として活躍するひじさやさんにインタビュー!はつらつとした素敵な笑顔で終始日出町愛を語っていただく素敵な時間になりました。今後もひじさやさんの活躍から目が離せません!これからも本サイトでは、各地で暮らす移住者の声をお届けしていきます。どうぞお楽しみに!
(この記事は2025年11月に取材したものです)

